「にぎわい空間研究所」は、リアル空間にしかできない新しいビジネス価値の在り方を研究します

第2回「“明”と“暗”のコントラストが生み出す空間の魅力」
Mini Column

第2回「“明”と“暗”のコントラストが生み出す空間の魅力」


2018.07.09facebook

写真1
 
 福岡市天神地下街(通称てんちか)は、私の好きなにぎわい空間だ。

 「劇場」をコンセプトにデザインされた全長約590mの大型地下商店街。通路を「観客席」、店舗を「舞台」、商品とショップスタッフを「脇役の俳優」、それぞれのパフォーマンスを楽しむお客様を「主役」と見立てている。
 
 観客席としての通路に影を与えることで生み出された「暗」の空間は、舞台である店鋪の「明」を引き立てている。明暗のコントラストの使い方が非常に見事で、立体感と大人の落ち着いた雰囲気を感じさせるとともに、空間全体を調和させている。

 私は、この「明」を引き立てる「暗」の使い方に「にぎわいのツボ」を感じる。

写真2
 
< にぎわいアドバイザー 池澤守の “ちょっと一言” >
「陰翳(いんえい)の作用を離れて美はない」(随筆「陰翳礼讃」※1)と言い切った谷崎潤一郎。日本人は、光と影の微細な変化の中に美を求めてきたのです。
※1 谷崎潤一郎『陰翳礼讃』(青空文庫)https://www.aozora.gr.jp/cards/001383/files/56642_59575.html

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