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第10回「言葉が醸す“異国情緒”が外国人を魅了する」
Mini Column

第10回「言葉が醸す“異国情緒”が外国人を魅了する」


2019.07.30facebook

写真1
 
 先日、2年ぶりに小樽の三角市場を訪れた。目的は海鮮丼。前回も観光客は多かったが、久々に行った三角市場の狭い通路は身動きがとれないぐらいぎっしりと人で埋まっていた。その半分以上が外国人観光客。

 外国人観光客向けに幾つもの言語で表示された看板はあらゆるところで見かけるようになっていたが、ここ三角市場には簡単な英語表記が少しあるだけで多言語表示の看板は無かった。一瞬、「不便なのでは?」と思ったが、あちこちで写真を撮る観光客を見ていると、多言語の看板があったらダメなのだと気付いた。せっかく外国に来たのに自国の言語で書かれた看板の写真など撮りたくないはず。

 目的のお店の前で紙に自分の名前を書き、並んで待っていると「3名様のリンさーーーん、こちらですー」と案内の声が。言葉は全て日本語だ。混雑しているのに、何の問題もなく順々に席へと案内され、食事を楽しむ外国人観光客たち。その様子を見ていると、このままずっと変わらなくても三角市場の「にぎわい」が消えることは無いのだろうなと感じた。
< にぎわいアドバイザー 池澤守の “ちょっと一言” >
言葉が壁となって独自の進化を遂げたガラパゴス状態の島国。今では日本語でのおもてなしが日本らしさを醸し出す“誇らしい時代”に突入したのです。

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