「にぎわい空間研究所」は、リアル空間にしかできない新しいビジネス価値の在り方を研究します

「なぞともCafe」(アミューズメント)/ナムコ
総 説
Report_Case05

「なぞともCafe」(アミューズメント)/ナムコ

バーチャルの必勝法をリアル空間ビジネスに取り込む
〜「なぞとも」が示したリバーチャルの可能性〜

2016.07.29facebook

 この未曾有の市場縮小という荒波のなかで、アミューズメント大手の(株)ナムコでは、リアルゲーム事業に取り組み始めた。イベントとして話題となっている「謎解き」をテーマに参加者自らが実空間の中で頭と体を使いながら遊ぶ「体感型リアルゲーム」の市場創出を目指しているのだ。
 特筆すべきは、実店舗というリアルと、ネットというバーチャルを融合させた「リバーチャル」の構想を基に、事業の全体像を描いたことである。
 同社ではまず、ポータルサイト「なぞとも」を立ち上げた。このサイトでは、各地で行われる謎解きイベントの情報を告知し、謎解きファンたちの間での認知度を高めるとともに、謎解き制作者団体とのネットワークを構築した。一方で、期間限定の謎解きイベントを実施しながら、ファンの動向や嗜好を把握。そして、平成26(2014)年8月、東京・新宿に謎解きゲームの常設店舗「なぞともCafe 新宿店」をオープンした。私はコンストラクションディレクターとして同店舗の立ち上げ、そしてその後の店舗展開に関わらせていただいた。
 なぞともCafeで公開される謎解きゲームの多くは、前述したなぞともサイトを通じて人的なネットワークを構築した制作者団体によるものである。それぞれの制作者団体のファン、そしてサイトで存在を知った人々が店舗を訪れるとともに、サイトを通じて店舗そのものにもファンを創出していった。新宿店の集客数は開店後約2年経過した今でも右肩上がりで増加を続けている。
「なぞとも」プロジェクトは、あくまでリアル空間でのビジネスに軸足を置きながら、バーチャルの持つ優れた機能を活用することで、情報や顧客、コンテンツメーカーをリアル空間のビジネスに取り込んでいく仕組みを構築したのである。なぞともは、リアルとバーチャルが相乗効果を生みながらリアル空間のビジネスを拡大する手段が存在することを教えてくれる好事例と言えるのだ。

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